第一話 「寄り道の路地裏」 登場人物
斉藤美由紀(さいとうみゆき)(28)
ゼネコン系会社員
一法師護(いっぽうしまもる)(29)
売れない劇団員
第一話 「寄り道の路地裏」 あらすじネタバレ
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冷めた顔の美由紀と呑気に構える護がアイスを食べながら向かい合う二人の部屋。
美由紀は護と同棲して2年。
売れない劇団員の護は定職についておらず、掛け持ちでバイトに明け暮れる日々。
「ねえ、出て行ってほしいんだけど」
「なんで?」
美由紀は護と付き合う時に結婚向きの男が現れたら別れると宣言していたのだ。
同棲までしているのに期間限定の付き合いのような始まり。
「見つかったの?」
「これから探すのよ」
俺は君と結婚するとのん気に茶化す護に全く無反応な美由紀は結婚とはどういうのもか淡々と問いかけた。
子どもができて、養って・・・云々。
「バイト増やすよ!」
美由紀の両親は大恋愛で結婚したにも関わらず5年で離婚、母親は父親を憎みさえし、そんな親を見てきた美由紀は恋愛で結婚することに否定的だった。
「私、結婚相手はお見合いか紹介って昔から決めてたの」
護は反論するが論点はずれ、話し合いにもならない。
翌朝になって空になったベッドの左を見つめる美由紀。
護は早朝のバイトにでも行ったのだろう。
(夢を見てられる時期は終わったのよ)
美由紀は同僚に紹介された見合いの組織に入会し、さっそくお見合いランチをすることにした。
その同僚はそこで相手を見つけたのだと言う。
緊張気味で向かった店にはすでに腕時計と周りを頻繁に見ながらそわそわしている眼鏡のスーツ姿がいた。
彼は美由紀の挨拶もそこそこにすでに注文もしており、自分の条件をただ並べたてて美由紀が話をする隙を与えてこない。
(私のこと何も聞かなかった・・・ま、いいや、次・次!)
そこであまり満足に食事がとれなかった美由紀はなんとなく感じのいいカフェに入った。
沢山の本と緑のインテリアが並べられた静かなカフェは読書カフェ。
食事メニューはなかったけれど、飲み物を頼んで一息ついた美由紀はそこにあったノートに手を伸ばした。
静かな空間を作るために会話に使うためのノートだった。
今までの客の何気ない会話のやり取りをぼんやり読みながら思いにふけっていた美由紀はペンをとり、自分の今の気持ちを書き始めた。
(私の選択は間違っていないと思う)
護の事、お見合いを始めたこと・・
開いた窓から風が吹いて、美由紀の髪とノートがめくられて行った。
いつの間にか外はもう暗くなっていた。
美由紀がそのカフェを訪れてから何日か過ぎたころ、スーツケースを持った中年の男が駅に降り立った。
2年ぶりの阿佐寺。
しかしなじみの店はすでに閉店、カレーを当てにしてやってきた彼は仕方なく美由紀が前に入ったあのカフェに入ってきた。
食事もない、タバコも吸えない、パソコンも音がしてだめらしい、そんなカフェでは仕方なく頼んだ飲み物を待つ間すら手持無沙汰。
と、目に入ったのは会話ノートあの会話ノートだった。
第一話 「寄り道の路地裏」 ポイント
定職についていない彼とはとても将来を描けないと見限った美由紀。
両親の不仲を見て恋愛結婚なんてするもんじゃないと思っていたから護は結婚相手が見つかるまでのつなぎの彼。
そう割り切っているはずなのに、ノートに綴る気持ちは間違っていないと思う、と自分に言い聞かせているかのようです。
彼女はこのまま相手が見つかるまでお見合いを繰り返すのでしょうか。
最後に出てきた年配の男は美由紀にどうかかわってくるのでしょうか。
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