第八話 「引き返せない」 登場人物
斉藤美由紀(さいとうみゆき)(28)
理想的な結婚相手に巡り合いつつもやっぱり迷いのとれないOL。
高橋
相変わらず美由紀の話につきあってくれている
野田
役所勤めで穏やかで堅実。美由紀が結婚するなら理想の条件。美由紀の今彼。今回母親が上京してくる
一法師護(いっぽうしまもる)
就職が決まり、劇団の引退公演をすることに
第八話 「引き返せない」 あらすじ
『カツカレーの日』で検索。
試し読みできます
まんが王国は電子コミック配信サイト
試し読みは無料です!
水族館で魚の群れを見ながら高橋は言った。
「あんたのマリッジブルーにつきあってやれるものもうしばらくの間だ」
「・・・それって会社辞めて日本を離れるってことですか?」
「まあ、人生どうなるかわからんが向うで骨をうずめるかもしれんなあ」
それを知った美由紀の頬に一筋の涙が。
「す、・・・すみま・・・」
更に涙がこぼれていく。
美由紀にもなぜこんなに涙が出てくるのか分からない様子だ。
高橋はそんな美由紀に手を伸ばそうとして・・・やめた。
それ以上優しくすることはできなかった。
「ごめんなさい、つきあわせてしまって」
美由紀は同僚たちと昼食をとっていた。
「どうしたのそんなハイカロリー」
「うち、夏にカツカレーの日ってあったんですよ。「7月1日は必ずカツカレーだったんです。夏に向けてスタミナつけるってことだったんでしょうね」
同僚の一人がそこで見合い相手の野田との進展具合を美由紀から聞き出そうと話をふった。
ところがそれをもう一人の同僚が遮る。
「・・・私昨日ね、水族館で斉藤さんの事見かけたんだ」
はっとする美由紀。
それが意味するところはわかっている。
「一緒にいたあの人・・・うちの会社の人でしょ?」
「・・・婚活の悩みとか時々聞いてもらってて・・・」
「・・・私たちには話せないことがあるの?」
どうやら同僚は美由紀と高橋の仲を疑っているようなのだ。
そこで同僚は今まで思っていたことを口にした。
「お見合い相手のことでさ・・なんかいつも・・・私と松野さんの判断を待ってるとこあるよね。私・・・それが気になってたの。私たちがどう評価するかを優先させてるっていうか・・・」
同僚は続ける。
「それって・・・斉藤さんがホントは結婚に前向きじゃないってことなのかな・・・って」
その頃護は就職先を決め、劇団の仲間たちから慰留されていた。
美由紀は野田の母親とも会い、この人でいいんだと、この人で大丈夫なんだと何度も自分に言い聞かせていた。
『カツカレーの日』で検索。
試し読みできます
まんが王国は電子コミック配信サイト
試し読みは無料です!
第八話 「引き返せない」 ポイント
美由紀は理想的な見合い相手の野田と順調に交際を続けています。
すでに野田の母親とも会い、この人でいいんだと思っています。
ところが同僚からするどい指摘を受けました。
"他人の評価を気にしている"
それは自分の人生の重要な決定事項である結婚を自分の意志で決められていないということになります。
ということは野田との結婚もはた目から見て評価が高いからというだけで、本当の美由紀の思いとは違うのかもしれません。
そしてその理想と本当の思いの中で知らないうちに美由紀は迷っているのではないでしょうか。
美由紀の本当の思いとは。
それが自分ではわからないから同僚に、そして高橋に思いをぶつけるのです。
『カツカレーの日』で検索。
試し読みできます
まんが王国は電子コミック配信サイト
試し読みは無料です!